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2018.11.14

首都圏より高騰中 札・仙・広・福 地方中核都市人気の秘密

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
2018年9月に公表された2018年の基準地価は、日銀の超低金利政策による低調達コスト・所得環境の改善・インバウンドに伴うホテルと商業施設需要・相次ぐ再開発事業等を追い風に、全用途平均でついにプラスに転じました。前回のプラスが1991年ですから実に27年ぶりになります。商業地は2年連続で上昇、住宅地は相変わらずマイナスなものの下落幅が0.3%にまで縮小、プラス転換も視野に入ってきました。

三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)が好調な一方で、追い風の恩恵があまり及ばない地方は相変わらずマイナス圏との構図が続きますが、そんな中でも一部エリアは三大都市圏以上に勢いを見せています。

地方のハブとして躍進し続ける札幌・仙台・広島・福岡

商業地を例にすると、基準地価上昇率は全国平均で1.1%、うち三大都市圏は4.2%と突出しています。地方圏はマイナス0.1%、下落カーブは緩やかになったものの、相変わらずマイナスです。ところが、地方の中でも4大中枢都市だけは9.2%と、三大都市圏を大きく上回っています。4大中枢都市とは、札幌・仙台・広島・福岡の4市を指します。

それぞれの商業地基準地価上昇率は、札幌市10.0%、仙台市9.9%、広島市4.8%、福岡市11.1%といった伸びを示しています。今回の記事では、最も上昇率が高い福岡市を事例として、ヒートアップ気味の地価動向とその背景を探ります。

九州のハブとして躍進し続ける福岡市

4大中枢都市は、地方の広域ブロックをカバーする鉄道・空港・高速道路の起点ともなり、官公庁や大企業もブロックのヘッドオフィスを置くなど、各ブロックでの中枢として発展してきました。国土交通省が策定した第5次全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」でも、これらの都市は、地方ブロックの自立的発展を促す観点から、都市機能集積・国際交流の拠点として位置づけられています。

4大都市の1つである福岡市にも、九州電力・JR九州・西部瓦斯など九州全域をテリトリーとする企業が本社を置くほか、国土省九州地方整備局の拠点も福岡市です。ビールメーカーなど大手上場企業の多くも、福岡を九州の拠点としています。その福岡は、九州ブロックのゲートウェイである福岡空港・博多湾を擁し、インバウンドの恩恵を一身に受けています。

九州運輸局によると、九州の外国人入国者数はここ5年間で4倍以上(2012年115万人→2017年494万人)に増加しました。入国者のうち福岡空港は約225万人、博多湾は約78万人と、2つを合わせると全体の6割以上を占めています。2011年には整備計画決定から38年にして悲願の九州新幹線が鹿児島まで全通しました。

高速道路網もミッシングリンクとなっていた東九州や長崎方面も含めて全域の高速道路網整備も進み域内アクセスが格段に改善したのも、インバウンドの盛り上がりを後押ししています。

再開発も進み人も集まる

福岡市の最高価格地点は、天神区の木村屋ビル前の620万円/平方メートルで、上昇率は20%を超えました。国内屈指の政令指定都市に成長した福岡市のランドマークが天神地区であり、その名はこの地域の水鏡天満宮が「天神」と崇められる菅原道真ゆかりの地であることに由来します。今、天神地区は再開発事業「天神ビッグバン」と呼ばれる規制緩和を起爆剤とした再開発事業に湧いています。

天神地区は福岡空港の空路に当たることから厳しい高さ制限が課されていましたが、「国家戦略特区」に指定されたことから制限が大幅に緩和、付近では「リッツカールトン」の入る複合ビルの建設も進んでいます。福岡市には、吸い寄せられるように人も集まります。福岡市の人口は毎年1万人強増え続け、増加率は全国市・区の中でトップです。

2015年の人口は約152万5,000人で、政令指定都市中で全国5位に位置づけられます。今回取り上げた福岡市を含め4大中枢都市の地価上昇は、このように実体経済に裏付けられており、今後も堅実な推移が期待てきそうです。

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