相続
2019.4.19

空き家になった実家を相続するとき「収益物件に転用」のポイント

(写真= Licvin/Shutterstock.com)
(写真= Licvin/Shutterstock.com)
全国で1,000万戸に迫る数が存在するともいわれる空き家。所有者にとっては、維持費や固定資産税の負担が重くのしかかります。首都圏の好立地などの空き家なら活用・売却はスムーズですが、一般の空き家は「売れない、活用できない、壊せない」の3重苦に陥ることも少なくありません。これを打開する空き家活用のポイントと具体例を紹介します。

空き家活用は自力にこだわらないことが大切

最近の空き家活用では、インバウンド増加による民泊転用、あるいは、若い世代の移住者増加によるシェアオフィスや移住者住宅への転用などの成功例も増えています。また、平日は都会で暮らし、休暇は田舎で過ごすようなデュアルライフ(二拠点生活)を実践する方のセカンドハウスとして活用されている空き家もあります。この他、カフェやパン屋、学生のシェアハウスとして甦った空き家もあります。

空き家活用でもっとも大事なことは、地域のNPOや不動産会社など運用の担い手を見つけることです。一般の方が自力で活用することも不可能ではありませんが、独自のノウハウが必要な分野のためハードルが高いケースも多いようです。空き家活用には、解体・リフォームなどを行った上で次のような選択があります。

● 売却
● 賃貸経営による賃料確保
● 転貸による収益確保
● 民泊による活用

首都圏で注目される空き家活用の仕組み

空き家の所有者をバックアップする仕組みとしては、たとえば首都圏であれば、京急電鉄とルーヴィスがタッグを組んで提供する「カリアゲ京急沿線」が注目されています。これは京急沿線の築古の空き家をオーナーの負担ゼロで再生、オーナーに代わって京急グループが入居者に一定期間転貸(サブリース)する仕組みです。オーナーは6年の契約期間の間、保証賃料を得られます。戸建をはじめ、アパートやマンション、ビル、倉庫まで対象になります。

また、相鉄グループの転貸サービス「空き家バンク&リース」も、入居者とオーナーの橋渡しをする同様の仕組みですが、こちらは契約期間7年、住み替えで空き家になる物件をテーマにしています。各鉄道会社にとって沿線に空き家が増加し、エリアが荒廃するのは避けたいところです。今後、同様の空き家再生サービスが増えることが見込まれます。

地方で注目される空き家活用の仕組み

人口が急減している地方では、空き家問題が喫緊の課題。各地で地場のNPOや不動産会社を中心に活動が進められています。たとえば、山形県鶴岡市の「特定非営利活動法人つるおかランドバンク」では、空き家を売りたい方・貸したい方と利用希望者をマッチングする空き家バンク事業を展開。合わせて、空き家管理事業も行っています。

空き家に強い不動産会社の例では、法律の制約で再建築できない長屋や、空き家のまま放置されている昭和の古家を再生する「八清」が注目を集めます。これらの住宅はそのままの状態では価値が低いですが、八清が現代のニーズに合ったリノベーションなどを施すことで、売却や賃貸(店舗、住宅、シェアハウスなど)が可能になっています。

各地にこのような空き家活用をテーマにした団体や企業があります。提携先・相談先を探すときは、ネットによる検索はもとより、各自治体の空き家対策の担当課をヒアリングするのもよいでしょう。

活用策が見つからない場合は早めの処分が得策

団体や企業などに相談しても、空き家活用の打開策が見つからないケースもあるでしょう。そのまま放置しても維持費や固定資産税がかかり続けるだけですので、早めの処分が賢明です。人口が減っている小さな街でも、中心部にあるのであれば価格を調整していけば買い手が見つかるケースもよくあります。また、中心部から外れた立地でも、隣地やご近所の方にお声がけすると購入希望者が見つかることもあります。ご先祖から受け継いだ不動産が、地域の役に立つようあらゆる努力をしていきましょう。

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