相続
2019.3.13

2019年は子どもに住まいを持たせるチャンスの年 贈与税の非課税枠が1年間限定で3,000万円に増える!

(写真=TijanaM/Shutterstock.com)
(写真=TijanaM/Shutterstock.com)
贈与税は相続税と並んでわが国では最も税率の高い税金のひとつですが、住宅取得のための資金贈与には特例の非課税枠があります。しかも、2019年4月1日~2020年3月31日までの間、消費税率10%でマイホームを取得する人に限り、非課税枠が最大3,000万円(省エネ等住宅)まで拡充されるのです。

消費税増税による需要の反動減対策として実施

2019年10月から消費税が10%に引き上げられます。個人間取引の中古住宅は非課税ですが、新築住宅や中古でも不動産会社などが所有している物件だと課税対象です。3,000万円の注文住宅なら税率8%だと240万円の消費税が、税率10%になると300万円に増えます。土地・建物が2,000万円ずつで、合計4,000万円の分譲マンションや建売住宅だとどうなるでしょうか。土地は、非課税なので建物2,000万円が課税対象となり、消費税が8%の場合は160万円、10%の場合は200万円です。

そのため、住宅が売れなくなって景気の足を引っ張る事態になることを懸念して、さまざまな住宅取得支援策が実施されています。住宅取得等資金贈与の特例の非課税枠拡充もその一環です。2019年3月までは最高1,200万円までの非課税枠が、2019年4月以降は3,000万円に拡充されます。ただし、消費税10%で自己居住用の住宅を取得する資金として両親や祖父母などから贈与を受けた場合に限られ、個人間取引の中古住宅のように、消費税がかからない物件取得は対象外です。

3,110万円の贈与だと545万円の贈与税がゼロですむ

贈与税にはこの非課税枠のほか、年間110万円の基礎控除があるので、合計3,110万円まで非課税で贈与できるようになります。2019年3月までの非課税枠1,200万円のときに3,110万円贈与すると、3,110万円から基礎控除110万円、非課税枠1,200万円を差し引いた1,800万円が課税対象です。税率は45%で、控除額が265万円なので、1,800万円×0.45-265万円で、贈与税は545万円になります。

一方、2019年4月以降に非課税枠が3,000万円になってから贈与を受ければ、贈与税はゼロ。3,110万円をすべて住宅取得資金に充てることが可能です。(省エネ等住宅の場合)この制度を利用して子どもにマイホームを持たせておけば、将来の相続税対策になります。しかも、贈与を受け取る側一人につき3,000万円の非課税枠なので、子どもが2人にいれば2人、3人なら3人に贈与してもOKです。

3人なら暦年贈与110万円×3人分、住宅取得資金贈与3,000万円×3人分の合計9,330万円贈与でき、それだけ相続が発生したときの相続税評価を減らすことができるため節税につながります。

1年間だけの時限措置なので早めに準備するのが得策

この特例には、贈与を受ける受贈者にさまざまな要件があります。

・贈与を受けた1月1日時点で20歳以上
・受贈者が贈与者の直系卑属であること
・受贈者が贈与を受けた年の所得金額が2,000万円以下
・2009~2014年までの贈与申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けていないこと
・自分の配偶者や親族など特定の人から取得した住宅ではないこと
・贈与を受けた翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を住宅用の家屋の新築に充てること
・取得した住宅に居住するか、居住することが確実な場合
・贈与を受けたときに日本国内に住所を持っていること
・取得住宅は、新築住宅または建築後20年以内(マンションは25年以内)の中古住宅か、耐震基準を満たす住宅など

この特例は、時限措置で2019年4月から適用が始まり、2020年3月までで終了、2020年4月から段階的に縮小されます。住宅選びには一定の期間がかかるだけに、この制度を活用して贈与するためには、早めに準備にかかることが必要です。そのため、あまりのんびりしてはいられません。同様の制度としては2,500万円まで非課税で贈与できる相続時精算課税制度があります

しかし、相続時精算課税制度は将来相続が発生した場合、相続時精算課税制度で生前贈与した金額が相続税評価額に加算される仕組みです。そのため、いずれは課税対象になります。住宅取得等資金贈与の非課税枠は、いったん贈与したら相続税評価に加えられる心配はないので、究極の相続税対策といってもいいでしょう。賢い資産家ならこの制度を活用しない手はありません。

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