相続
2018.11.23

相続人が複数いる場合の土地分割の方法

(写真=Katarzyna Mikolajczyk/Shutterstock.com)
(写真=Katarzyna Mikolajczyk/Shutterstock.com)
不動産を相続した場合、相続人が複数いるケースで問題になるのは、土地の分割についてです。お金であれば等分するのは簡単ですが、不動産の場合、それを平等に分けることはなかなか難しいことです。2017年12月に国税庁から発表された2016年分の相続財産金額の構成比によりますと、相続財産の内、土地・家屋を合わせた不動産の割合は43.5%(土地38%、家屋5.5%)を占めていました。

この結果から類推しますと、不動産の相続の成否が各家庭における相続問題の重要なポイントだといえます。

駅前の土地の相続(具体例)

都内の私鉄沿線の駅近くに約150坪の土地を持つ母親が亡くなり、その土地を3人の法定相続人である子どもが相続するケースを考えてみましょう。もし、その土地の形状(地型)が、長方形ですべて4メートル以上の道路に接道している場合、この土地を3等分しても各土地の道路の接道部分が2メートルを超えていれば、問題なく分けることが可能です。

これは、建築基準法で接道義務として決められています。しかし、すべてがこのような土地ばかりではありません。分ける(分筆といいます)ことにより、道路の接道長さが2メートルに満たないケースも数多くあります。たとえ、同じ大きさで分割したとしても、接道している土地とそうでない土地の価格は大きく乖離します。そのような場合、どのような方法に不動産を処分すればよいのでしょうか。

不動産は分割するのが難しいのでトラブルのもとになるということは現実問題としてよくあります。土地を分ける方法は、以下の通り大きく4つに分けることができます。

1.現物分割
2.代償分割
3.換価分割
4.共有分割

では、ひとつひとつ具体例で見ていきましょう。

1.現物分割

これは、具体例の駅前土地であげたように、1筆の土地を3分筆に分けることです。分割後にそれぞれの土地について接道義務がクリアされていれば、特段問題となりません。ここで、もう一つ経済合理性の問題が出てきます。土地を分割することで面積が縮小し、土地の用途が制限されるので、単位面積当たりの単価も低くなるケースが出てきます。場合によっては、分割する前と比べて評価額が半分になるケースも見受けられます。

2.代償分割

複数の相続人の内、誰か一人が対象不動産を相続し、他の相続人にそれに見合う価値を金銭などで支払うという方法です。考え方によっては、他の相続人の土地を買い取るといった方法ともいえます。不動産以外に被相続人に現金や有価証券がある場合、それを多めに不動産を相続しない相続人に渡すといった方法です。「先祖代々の土地を売らずに残したい」といった心理的なものがある場合、この方法を使いケースがあります。

3.換価分割

被相続人の不動産を売却し、お金に変えて、その代金を相続人で分割する方法です。一番すっきりするやり方ですが、代償分割と異なり先祖代々の土地を売却することとなります。そのため、生まれ育った土地に愛着がある場合は、心理的なものも発生するでしょう。また、相続発生時における不動産の時価により、遺産の金額が変わってくるのは言うまでもありません。

4.共有分割

一つの不動産を複数の名義人で所有することです。代償分割の場合、相続する不動産によっては土地を相続する人がある程度の金銭を準備する必要があります。しかし、共有分割の場合、相続時にはその必要はありません。しかし、この共有分割は、決しておすすめはできません。なぜなら、一つの不動産を複数の兄弟姉妹で共有した場合、あとでもめる可能性がとても高いからです。

例えば、5,000万円の土地を2人で分けた場合、2,500万円が1人分の権利となります。しかし、将来どちらかがお金が必要になって、売却しようとした場合に他の持ち主全員の同意が必要です。2人では、話がまとまるかもしれませんが、これがさらに子世代、孫世代にまで進み、3人、4人となってくると全員の同意を得るのは難しくなる可能性が高くなります。法的には持ち分の共有は何ら違法ではありませんが、現実的には問題を先送りしているという一面もあるため注意が必要です。

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