相続
2018.10.24

相続税対策は資産がいくらあったらやるべき?何歳頃からはじめるべき?

(写真=Micolas/Shutterstock.com)
(写真=Micolas/Shutterstock.com)
近年の相続税を取り巻く環境は、激変しています。きっかけは、20年ぶりと言われるほど大幅な2015年の相続大改正です。これを平たく表現すれば、「相続税を支払う人が急増し、税率も上がった」ということになります。それだけに、より綿密な相続税対策が必要です。これを怠れば、相続税によって財産が著しく目減りするリスクが高まります。

相続税対象者が倍増!東京都では約6人に1人が対象

2015年の相続大改正によって、相続税を払う人が一気に増えました。国税庁発表のデータ(平成28年分の相続税の申告状況について)によると、2015年に亡くなった方、約129万人のうち7.98%にあたる約10万3,000人が相続税の課税対象者になりました。相続大改正前の相続税の課税対象者が4%前後で推移していたことを考慮すれば、7.98%は「ほぼ倍増」と言えます。

とくに首都圏や大都市に住む方は要注意です。金融資産をそれほど有していなくても、地価が高いエリアに持ち家があるだけで財産が膨らみ、対象になる可能性があります。実際に、東京都に限れば相続税の課税者割合は15.7%で、「約6人に1人の被相続人が対象」になっています。もはや相続税は一部の富裕層のことではないのです。

どれくらい財産があれば、相続税の対象になる?

相続税の金額は、相続人の数によって異なります。相続税は、相続する財産から「基礎控除分の額」を差し引き、残った分が課税対象です。この基礎控除は下記の式で計算できます。
  • 3,000万円+600万円×相続人の数
この公式に相続人の数をあてはめると、次のような人数になります。
  • 相続人の数:1人 基礎控除額:3,600万円
  • 相続人の数:2人 基礎控除額:4,200万円
  • 相続人の数:3人 基礎控除額:4,800万円
  • 相続人の数:4人 基礎控除額:5,400万円
  • 相続人の数:5人 基礎控除額:6,000万円
仮に、配偶者なしで子ども3人が相続人であれば、基礎控除額は4,800万円ですから、これを超えた分の財産が相続税の課税対象になります。相続する財産が8,000万円分あるのであれば、「財産8,000万円-基礎控除4,800万円」で3,200万円が課税対象になるというわけです。

相続税の対象になる財産の種類は意外に多い

相続税の対象となる財産として思い浮かびやすいのは、預貯金や不動産でしょう。他にも、ゴルフ会員権や車、美術品、生命保険金、株券なども対象です。さらに、被相続人が事業をしているのであれば、売掛金や商品の棚卸商品なども対象になります。

こうして対象となる財産を挙げていくと、預貯金以外の財産はさまざまです。「預貯金がないから相続税とは無縁」と思っていても、不動産などの財産価値が高く「実際には相続税を払わなければならない」というケースも増えてきています。「相続税の対象ではない」「相続税が発生してもたいした額ではない」と思い込まず、財産総額を整理してみることがおすすめです。

相続税対策を今すぐにはじめなければならない理由

相続税が発生する場合、被相続人が悩むのは、「いつから相続税対策をはじめるべきか?」ということです。目安になるのは、介護を必要とせず寝たきりにならない「健康寿命」になります。相続税対策は、被相続人が元気なうちに終わらせるのが理想です。認知症になれば判断力を疑われ、相続税対策が簡単にはできなくなります。

また、重度な介護が必要になれば、遺言書作成も思うように進まないでしょう。2018年に厚生労働省が発表した2016年度の健康寿命は、次の通りです。
  • 男性の健康寿命:72歳
  • 女性の健康寿命:74歳
贈与も組み込んだ相続税対策は長期計画が前提になります。たとえば、暦年課税という贈与方法では、年間110万円までの贈与は非課税です。これを毎年用いて長期間にわたって贈与することで、効果的な相続税対策になります。

暦年課税の場合、年齢制限はありません。そのため、より早くはじめるほど「課税なしの財産」を配偶者や子どもに移行することが可能です。このことを考慮すれば、相続開始は早いほどよいことになります。相続税対策を先送りしている方は、すぐに着手することがおすすめです。

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>>【参考記事】不動産投資が相続税対策に有効、その節税の仕組みとは?

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