相続
2018.9.25

支援しながら賢く節税贈与の非課税枠を上手に活用しよう

(写真=Room's Studio/Shutterstock.com)
(写真=Room's Studio/Shutterstock.com)
「子どもに少しでもお金を残したい」と思うのは、自然な親心です。しかし、そのときに注意しなければならないのは税金のことではないでしょうか。贈与税は暦年贈与を利用した場合、1年間あたり110万円まで非課税です。もし110万円を超える生前贈与を受けた場合は、その超えた部分に贈与税がかかります。1年間(1月1日~12月31日)に、もらった合計金額が110万円を超えた場合、申告納税が必要です。

例えば、父親と母親から別々に110万円ずつもらった場合は、合計220万円贈与されたとして110万円の部分に対して贈与税がかかります。では、すべてのケースで贈与税がかかるのでしょうか。以下の3つのケースでは贈与税が免除されます。それぞれのケースを見ていきましょう。

住宅取得等資金贈与

住宅取得等資金贈与は、「子どもないし孫が住宅を購入するための資金援助であれば、700万円(長期優良住宅の場合は1,200万円)まで贈与しても贈与税がかからない」という制度です。(2016年4月1日~2020年3月31日までの契約)条件としては、以下の通りです。

・贈与を受けるのは直系の子どももしくは孫(例えば、配偶者の両親から資金援助を受けた場合はこの特例は使えません)
・贈与を受けた都市の翌年3月15日までに住宅を新築または取得していること
・同じく贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住することまたは遅滞なく居住することが見込まれることなど

住宅取得等資金贈与を使ううえで、注意点がいくつかあります。

・贈与税が0円でも必ず申告が必要なこと
例えば300万円を贈与した場合、「この特例を使えば700万円の枠内で贈与税は0円になるから」と考え申告しなかった場合、通常の110万円を超えた分の金額に贈与税がかかります。贈与税の申告期間は贈与した翌年の2月1日から3月15日までです。必ず申告してください。

・住宅取得等資金贈与を使うと小規模宅地の評価減の特例が使えなくなる
住宅取得等資金贈与は、亡くなった人が自宅として使っていた土地については、相続税評価において「8割の減額できる」という特例です。原則この特例が使えるのは配偶者か同居親族だけなのですが、もしその両方がいない場合、「亡くなった人と別居していて、かつ、3年以上自分の持ち家に住んでいない親族」も特例対象となります。

この特例は、節税額が大きいので、どちらが得になるかよく吟味する必要があります。住宅取得等資金贈与はとても使い勝手が良いので、どんどん使われることがおすすめです。また、暦年贈与の110万円と併用できますので、普通の家ですと810万円まで非課税となります。

教育資金贈与

2013年4月1日から2019年3月31日まで教育資金贈与も贈与税節税に使うことができるようになった特例です。内容は「30歳未満の子どもか孫に対して、教育資金として1,500万円まで贈与しても非課税扱いになる」というもの。対象となる贈与資金は、学校の入学金、授業料だけでなく、塾やスイミングスクール、自動車学校の費用なども含まれます。

もし留学した場合は、学費や飛行機代も対象となりますが、ホームステイ代は含まれません。しかし、この制度を使うのには、かなり手続きが面倒です。それは銀行に専用口座を開設し、諸々の領収書を金融機関に提出する必要があります。さらに、贈与を受けた人(受贈者)が、30歳になっても1,500万円を使いきれない場合、残りの金額に贈与税が課税されます。

しかし、そもそもの議論となりますが、基本的には教育資金は非課税扱いなのです。「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は贈与税がかかりません。したがって、一括で贈与する特例制度とその都度贈与を組み合わせれば、1,500万円以上の金額を贈与することが可能となるのです。

結婚、子育て資金贈与

この特例は、贈与する側が健在なうちに、20~49歳までの子ども・孫などに対し1,000万円まで、結婚資金には300万円まで一括贈与した場合、その時点では贈与税が非課税になります。ただし、この制度を使うためには、教育資金贈与と同様に金融機関に口座を開設し、きちんと領収書などを管理する必要があります。

さらに、教育資金贈与と異なり、もし贈与する側が死亡した時点で、使いきれていない部分には贈与税がかかります。唯一相続税対策になるのは、孫に一括贈与を行い、生前に使いきれなかった場合のみです。この特例に関しては税法的なメリットは、あまり感じられないのが実情かもしれません。

>>【無料小冊子プレゼント】親が元気なうちに知っておきたい相続対策

【オススメ記事】
相続法改正。「配偶者居住権」とは?
相続を「争族」にしないために。事前に出来ること4選
故人の遺志を尊重する。遺言書とその種類とは
相続税の税率と贈与税の税率。国が意図していることとは?
不動産を活用した相続税対策。課税額を圧縮しよう

PREV 資産家のポートフォリオには必ず不動産がある。相続における不動産のメリットとは
NEXT 不動産を活用した相続税対策。課税額を圧縮しよう

関連記事