経営
2019.3.1

上級管理職には必携スキル 簡単に身に着ける組織マネジメント術

(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
この記事では、組織の管理職として活躍するあるいは管理職を目指しているビジネスパーソンの皆さんに、組織マネジメントのフレームワークを紹介します。

なぜ組織マネジメントが必要か

組織マネジメントなんて理屈がわからなくても、仕事ができれば、数字を達成ですれば文句はないはず……そう考える方も企業人も少なくないでしょう。

部長は「仕事ができる」では務まらない

同じ管理職でも、係長クラスなら部下の監督指導や与えられた業績目標達成といった業務遂行能力が重視されます。つまり、「仕事ができれば」係長クラスは務まります。職位が上がってくると、ビジョン・目標の策定や複数の組織を束ねるコーディネート力、さらには戦略的業務遂行が評価対象となり、必然的に組織マネジメントの全体像把握と構造理解が求められるのです。

ハードよりもソフト重視のトレンド

管理職に昇格して部下を持つ立場に変わると、「どうしても職場ルールや各部署の責任範囲から逸脱してないか」「自部署の活動が組織の戦略に沿っているか」などを強く意識しがちで、守りの姿勢に傾いてしまうケースも少なくありません。今までの日本企業では上意下達の「野球型」組織マネジメントが優先され、ルール・組織機能・戦略といったハード面ばかりが重視されてきたのだから、ある意味仕方のないことです。

野球では、選手の役割は固定され監督・コーチの作戦通りに動くことが求められます。ところが、最近は競合や市場環境が目まぐるしく変わる中で、「野球型」が通用しなくなり「サッカー型」に変化してきました。管理職の役割は「メンバーの自律的行動を引き出すリーダーシップ」にシフトし、組織のソフト面(スキル・価値観)への理解が欠かせなくなってきたのです。

7つのSとは

「7つのS」は、1980年代にトップコンサルで知られるマッキンゼー・アンド・カンパニーのウォーターマン氏とピーターズ氏が提唱した組織マネジメントのフレームワークです。当時はハード面ばかりを重視する組織論が隆盛を極める中で、両氏はソフトの重要性に焦点を当てました。

ハードの3S

・Structure(構造)
各部門のポジションパワー・レポートライン・ポストの位置づけや部門間の関係性など組織構造を定義します。

・Strategy(戦略)
自社の競争優位や経営課題解決の視点から戦略(事業やマーケティングの方向性・経営資源配分)を考えます。

・System(システム)
サプライチェーンおよび周辺の情報システムや、組織を動かす規定類(コーポレートルールや人事・予算統制などの諸規則)、会議体などのレポートラインを定義します。

事業改革や組織変革などに取り組むにあたって、経営者は往々にしてハードの3Sに着目しがちです。なぜなら、こうしたハード面は経営者の意思によって変えやすいからです。ところが、ハード面をいじるだけでは、組織は変わりません。

ソフトの4S

・Staff(人材)
組織に所属する人材に着目し、アサインの適性やケーパビリティへの貢献を分析します。

・Style(スタイル)
いわゆる社風・風通し・組織風土から最適な合意形成・意思決定スタイルを定義します。

・Skill(スキル)
個人が兼ね備える専門性・リテラシーに着目し、競合との優位性や欠けている能力を分析します。

・Shared value(価値観)
一般社員からマネジメント層までが共有している行動原理・判断基準であり、その組織が大切にしている「変えてはならない価値観」です。

人間は感情の生き物であり、組織は人間の集合体です。ルールやシステムをいじったところで、根本からの組織変革はできません。組織を本気で良くしたければ、たとえ時間がかかってもソフトの4Sに取り組むべきなのです。マネジメントの目的は、経営や組織のあるべき姿と現状とのギャップを捉えて、ギャップ解消に向けた方向性を見出し、具体策を実行することにあります。管理職として7Sのフレームワークの基本を理解し、日ごろのマネジメントに少しでも役立ててもらえれば幸いです。
 

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