経営
2018.11.30

経営に生かすためのマインドフルネス

(写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)
(写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)
経営環境の著しい変化や目標達成へのプレッシャー、その一方でコンプライアンス順守が強く求められるなどストレスはさまざまです。一体どうしたらよいのか……と途方に暮れるビジネスパーソンは数多いのではないでしょうか。また、経営者の立場ですと経営の最終判断・決断を行うことが多いでしょう。しかし、判断を下した後でも、「これで良いのだろうか」と後に引きずることも少なくありません。

企業とマインドフルネス瞑想

マインドフルネスは、ビジネスパーソンの能力やアンガーマネージメントなど個々の問題に対処することも可能です。しかし、最近ではそれだけにとどまらず、会社組織に取り入れることにより会社のカルチャーを変えていく手段としても注目されています。

例えば、IT産業の中心地として栄えるサンフランシスコで2009年から毎年開催されるマインドフルネスとデジタル社会との融合を目指した世界最大のマインドフルネスカンファレンスの「Wisdom2.0」。このイベントでは、世界中から著名な経営者や科学者、医師、国会議員、宗教関係者、アーティストなどが参加します。

今までは、ビジネス領域におけるセルフコンディショニングにフォーカスしてきました。しかし、最近では個々の集中力が上がることで組織全体が活性化し、パフォーマンスが上がるという点にも着目され始めたのです。現代のマインドフルネス界で、注目されているのは主に次の方です。

・マインドフルネス低減法開発者のジョン・カバト・ジン博士
・Google社でSearch Inside yourself を開発したチャディー・メン・タン氏
・Google社の人材開発責任者のカレン・メイ氏など

それぞれにマインドフルネス瞑想が組織活性化にいかに貢献するかという書籍を出版しています。欧米では、Google社やFacebook社、ゴールドマンサックスなどをはじめ、企業でマインドフルネスが取り入れられている傾向です。特にGoogle社では、「Search Inside Yourself」といった最新の脳科学に基づいて開発したリーダーシップ・パフォーマンス向上のためのプログラムを公開しています。

これは、多忙な社内のエンジニアのパフォーマンスをさらに高めるために開発されました。その目的は精神的な安定の一方で脳が活性化される状態を作り出すことを目的としています。

マインドフルネス瞑想の実践

瞑想の方法は、数多くありますが、その中で一番ポピュラーなのは、「座る瞑想」です。これは、呼吸に意識を向けることで集中力を高めるトレーニングです。今の呼吸に意識を向けることで、過去の嫌なことや未来の不安を取り払い、クリアな頭脳、心の持ち方を実現していきます。具体的なプロセスは、まず座ります。

座り方は坐禅でいう結跏趺坐(けっかふざ)、半跏趺坐(はんかふざ)どちらでもかまいません。自分の組みやすい座り方でかまいません。また、足に障害のある方などは、椅子に腰かけても大丈夫です。そして、一番大事なのは、「腰から背中をぴんと伸ばす」ということです。イメージ的には頭が天から引っ張られている意識を持ちます。そして、自分の姿勢は富士山をイメージし、どっしりとかまえます。

目は、閉じても半眼でもかまいません。半眼の場合は自分の1.5メートル先を見る感覚で座ります。その後、鼻の呼吸に意識を向け、空気が鼻腔を通るときの感触に注意を向けます。「暖かい空気なのか」「冷たい空気なのか」「匂いはあるか」などに注意を向けます。基本的にはこれを繰り返すだけです。しかし、座っている間には、いろいろな雑念が出てきます。

例えば、「明日の仕事、これをやらなければ」「今日、この場面でとても頭に来たな」などといった雑念です。しかし、雑念が現れるのはごく普通のこと。これをマインドフルネス瞑想では「モンキーマインド」といいます。あたかもサルが木から木へ飛び移るかのように、雑念が湧き上がってきて暴走を始めます。

しかし、それが現れた場合、ゆっくりそのことに気づき、別の人間がその雑念を見るかのように、自分と雑念を切り離していくのです。これをすることで「痛み」「怒り」「不安」「決めつけ」といったものが自分と一体となって苦しむことから客観的にそれらを見つめることができるようになってきます。その他、瞑想方法は、「歩く瞑想」「食べる瞑想」「寝る瞑想」「手の瞑想」などバラエティ豊かです。

まずは、どれが自分にしっくりとくるかを試したうえで、継続していくことをおすすめします。経営者は、数多くのプレッシャーの中で生活しています。これを機に、マインドフルネス瞑想を経営に取り入れて楽に仕事を進めてみてはいかがでしょうか。

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