資産運用
2019.7.15

個人株主のみなさん、アクティビストになって会社に物申そう

(画像=hxdbzxy/Shutterstock.com)
(画像=hxdbzxy/Shutterstock.com)
「ハゲタカ」「ハイエナファンド」「空売り集団」などと呼ばれ、企業や個人投資家から毛嫌いされてきた「物言う株主」アクティビストファンドですが、ここのところ周囲の見る目も変わってきています。

最近は個人投資家・機関投資家ともに、企業価値向上による株価アップや株主への利益還元をより重視するようになり、「株主が経営者に声を上げることは良いことだ」という意識が根付いてきたのです。アクティビストの主張が賛同を集める、そんなケースも多くなってきました。

そんな中、今年1月にネット証券のマネックスが個人投資家向けに「アクティビスト・フォーラム」を立ち上げました。その狙いは、どこにあるのでしょうか。

日経平均が上がらないのは株主が「物言わぬ」せい

米中貿易摩擦による世界景気減速が懸念される一方で、アメリカ経済の堅調さやFRBによる金利引き下げ期待もあり、NYダウ平均は26,052円(6/11現在)と年初より10%以上アップしています。貿易摩擦にさらされる上海総合指数ですら15%前後の上昇率です。

一方、日経平均株価の上昇率は約5%とさえない状況で、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益倍率)といった業績指標からも、割安な水準に留まっています。

株主がもっと経営者に「物を言い」、企業努力を求めれば日本株の評価も上がる、そんな意見が最近多く聞かれるようになりました。

「貯蓄から投資へ」のシフトを推進する金融庁も、金融機関など機関投資家に対し「スチュワードシップ・コード」を提示しています。このコードは、「対話を通じて企業の持続的成長や株主還元を促すことが、長い目で見て投資リターンにつながる」という考え方です。

このコードは、機関投資家に対し具体的な行動も求めています。株主総会の議決権行使に関しては、去年から賛否を公開するようになりました。2020年版は、賛否の判断理由も開示する方向で改定作業が進んでいます。

アクティビストに賛同する機関投資家

最近は、機関投資家のスタンスも変わりつつあります。株主には機関投資家またはその親会社の取引先も多く、これまでは配慮が働くケースも少なくありませんでした。しかし、今年に入ってからは、株主総会の会社側提案に対し反対票を投じる機関投資家も増えてきました。

アクティビストなどによる株主提案も増えており、2019年の株主総会では最多の54社に達します。ほぼ100%反対票を投じてきた機関投資家のスタンスも様変わりし、議案によっては賛成に回るケースも少なくありません。

2018年株主総会でも、個別取締役の報酬開示(みずほFGなど)や相談役・顧問制度の廃止(北陸電力など)に関する株主提案では、機関投資家による賛成比率がいずれも3割以上に達しました。

6月の株主総会でも、JR九州に対する自社株買い・取締役選任(米投資会社ファーツリー)、世紀東急工業に対する利益剰余金による配当(国内アクティビスト・ストラテジックキャピタル)など注目の株主提案が目白押しです。

一方、企業側のスタンスは「投資家の声に耳を傾ける」ようにはなってきたものの、「声に従う」までには至っておらず、今後のさらなる変革が望まれます。

個人株主も企業を動かすことができる。

そんな中、異色の創業者・松本大氏が率いるマネックス証券が「アクティビスト・フォーラム」を開催し、「個人投資家もアクティビストたれ」とアピールしています。

フォーラムは、投資ファンドマネージャーの講演だけでなく、さらに踏み込んで議決権行使の提案を通じて参加者に具体的行動を促すことを目的としています。

個人株主の議決権に占める比率は17%、企業によってはもっと割合の高いところもあります。加えて、(金融庁の調査によると)個人投資家の議決権行使率は約3割と英米よりむしろ高い傾向にあります。こうした事実を踏まえると、フォーラムの狙いは的を得ているのかもしれません。

こうした取り組みが大きなうねりになっていくのか、今後の動きに注目です。

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