資産運用
2019.6.12

日本文化のポータルサイト 茶道とは (シリーズ)④茶道と経営

(画像=jyugem/Shutterstock.com)
(画像=jyugem/Shutterstock.com)
過去の当シリーズでは、茶道の歴史にスポットをあて、ご紹介してきました。

今回は、現代の多忙なビジネスマン・ビジネスウーマンに茶道の底流に流れる心遣いを知っていただき、それがビジネスにどのように応用できるのか、そのヒントをご紹介していきます。

多忙なビジネスマン・ビジネスウーマンこそ、心落ち着けるひとときを

現代の多忙な時代を駆け抜ける、エグゼクティブな方々こそ、静寂の中で一杯のお茶をいただくのは、とても贅沢なひとときに感じるはずです。

茶道を習い始めた人が、季節ごとに異なる室礼、使う茶道具の違いに驚き、こんなにも日常とは異なる空間があるのかと嬉しい発見をするケースも多いようです。

四畳半の畳に、夏は風炉、冬は炉でお茶を点て、お客様をおもてなしする、その場ではお湯が湧く音と茶筅が茶碗をこする音しかない、という状況は、忙しい日常とのギャップにただ驚くばかりです。

そして、茶室の障子から射す光が季節によってこんなにも変わるものなのか、夏は高い位置から降り注ぎ、冬は低い位置から茶室の奥まで届く光に変わる、そんな季節感を感じられるのも茶道の楽しさの一つです。

そして自分が亭主になって一服のお茶を点て、客人に振る舞う場面があります。その時は、ただ美味しいお茶を点てる、そのことだけに集中し、他のことは一切頭に浮かびません。
この状態を禅語で現せば、まさに「一行三昧」「喫茶去」の境地になります。

「来週の仕事はどうしようか」「あの時、別の方法をとっておけばよかった」と目の前のことに集中せず、心が別のところにある場合、決して美味しいお茶は点てられません。

現代人、特に多忙なエグゼクティブであればあるほど、心穏やかに過ごせる時間はあまり多くはないかもしれません。そんな時こそ、あえて仕事のことは一時、脇におき、今、目の前のことに集中する場面が大切なのです。そんな状況を作り出してくれる一つの方法が、茶道だともいえます。

おもてなしの心をビジネスにも

前回までの茶道の歴史の中でも述べたように、もともとは戦国大名たちは、こぞって名碗を集め、その価値は、城一つにも匹敵するようなものもありました。現代において、茶道を習いに来ているのは、8~9割が女性です。その中に混じって男性がお茶を点てることに、抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、昔は違いました。遠くは戦国大名、諸国を治める大名、そして明治時代は、時の権力者や財を成した財界人が茶道の普及に精を出したのです。そこには、やはり人の上に立つ方々が、何かしらのメリットを感じていたのだろうと思わずにはいられません。

例えば、ある経営者がお茶会を開いたとします。お茶会を開くときには、その時のテーマを決めるのが一般的です。
例えば、今回客人としてお呼びした方が、大病をしてそれが回復した後だとしましょう。そうすると、お茶会のテーマを亭主は「無病息災」にします。そのテーマに沿って、室礼や道具が自然に決まってきます。例えば無病=六瓢にかけて、茶室のどこかに6つの瓢箪をあしらった道具を使います。例えば、お茶碗に瓢箪の絵の書いてあるもの、香合の裏蓋に瓢箪、茶杓の銘が六瓢、茶菓子が瓢箪の形をした練りきり、お釜に床の間の掛け軸に瓢箪の絵、そして茶花に瓢箪を使ってと、茶室の中に6つの瓢箪を隠しておくのです。それを亭主は敢えて客人に伝えないところが、日本人の粋につながるところなのかもしれません。

亭主と客人の一期一会のためにそれだけ手間暇かけることは、現代の多忙な時間の中では無理かもしれません。しかしそこまでしなくても、お客様をおもてなしする心さえ整っていれば、その気持ちは必ず通じます。

お茶会は準備が8割だとよく言われます。事前に作戦を練って、いかにお客様を喜ばせるかは、ビジネスに応用できるはずです。お客様が想定していた以上のおもてなしをすることで、茶会が成功したかどうかが決まります。実際のビジネスの場面でも、お客様の期待以上のサービスを提供することで、唸らせることができれば、もうこちらのものです。

茶道のおもてなしの心は、日本人の心の中にあるDNAに必ず訴えかける力が備わっているのです。そのような茶道を一度体験して、一時の非日常を楽しんで見ては如何でしょうか。

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