資産運用
2019.5.31

低コストで大暴落からあなたの資産を守る プットオプションとは

(画像=EM Karuna/Shutterstock.com)
(画像=EM Karuna/Shutterstock.com)
株式市場での去年のクリスマス暴落には、少なからずの個人投資家がショックを受けたようです。2018年は10月以降、軟調相場が続いていただけに中には慌てて投げ売りしたケースも出たようです。

このクリスマスを底に株価は持ち直しました。しかし強気ムードが徐々に市場を覆う中で、大暴落の懸念もいまだ消えていません。

市場の先行きが見えないまま、個人投資家になすすべはないのでしょうか。

今回は、少額資金で運用資産を大暴落から守れるノウハウについて紹介します。

27年ぶりの高値から一転

昨年10月1日、日経平均終値は前営業日比126円高の24,245円を記録、1991年11月以来の実に27年ぶりに価格を更新しました。

ところがその3日後、米国の中国への冷戦勃発発言とも受け取れるペンス米副大統領のスピーチから米中貿易摩擦に対する警戒感が強まり、FRB(連邦準備銀行)による金融引き締めと相まって市場は軟調に転じます。

12月下旬もじりじりと値を下げる中、薄商いのクリスマスに株価は1,010円(約5%)急落、終値も2万円を大きく割り込み19,156円をつけました。ビーク時から2割を超える下落です。経済情勢などファンダメンタルズ面だけでなく、AIによる高速プログラム売買などテクニカル要素が暴落に影響したとされています。

10月には15前後で極端に落ち着いていたボラティリティ指数も、12月25日には30を超え、市場の動揺を映し出しました。

暴落の主因がテクニカル要素だったこと、FRBが金融緩和に面舵を切り米中貿易摩擦も解決の糸口が見えてきたこともあり、その後株価は22,000円台まで回復しました。中国経済回復を先読みして半導体設備関連企業を中心にアナリストが強気の買い推奨を出しています。

では、本当に危機は過ぎ去ったのでしょうか。18年度決算発表や19年度業績予想、日銀短観をはじめとする経済指標次第では暴落のリスクもつきまといます。

株式プットオプションとは

市況が流動的な中、個人投資家の防衛策として注目を集めるのが「株式プットオプション」で、少額の資金でも利用可能です。

オプションとは、株式を売ったり買ったりする権利のことで、買う権利を「コールオプション」、売る権利を「プットオプション」と呼びます。一般的には、日経平均225種オプションが最もポピュラーです。

オプション取引では、限月(翌月とか翌々月など清算する特定月)、SQ日(定められた清算日)、権利行使価格(清算日に売買する価格)をあらかじめ取り決めます(これを約定と呼びます)


例えば5月限月(SQ日は5月9日)・権利行使価格20,000円のプットオプション価格は、4月19日時点で1口12円、1枚は1,000口ですから購入金額は12円×1,000円=12,000円です(オプションは1枚買えば十分です)。仮にGW明けのSQ日に日経平均(先物)が20,000円を切っていたら、20,000円とSQ日の日経平均との差額が、オプションの時価です。

同日の日経平均先物の終値が22,200円ですから、ほぼ1割以上値下がりすればオプションで利益が出ます。

逆に清算日の日経平均が20,000円を超えていたら、12,000円のオプションは0円です。つまり読みが外れても、12,000円の損失で済むのです。

オプションの価格は、限月と権利行使価格によって決まります。限月が遠いほど、権利行使価格が高いほど(プットオプションの場合)、オプション価格は高くなります
 

プットオプションを使ったシミュレーション

例えば現物株式を1,000万円保有していて、先ほどの権利行使価格20,000円・5月限月のオプションでリスクヘッジした場合を試算してみます。

かりに5月9日までに相場が15%下落(日経平均は22,200円→18,870円)したとすると現物の損は1,000万円×15%=▲150万円の損失です。一方オプション価格は12円が1,130円(20,000円-18,870円)まで跳ね上がり、獲得リターンは1,130円×1,000口=113万円です。

トータルでは▲150万円-113万円=37万円まで損失を抑えられる計算です。

もちろん、僅か2週間余りで価格が15%以上値下がりすることなど、めったにありません。つまりプットオプションは掛捨ての保険のようなもので、あくまで株価が大きく下げた「まさかの時の備え」なのです。

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