資産運用
2019.4.15

消費税増税は高額所得者が高額物件を取得するチャンス―住宅ローン減税の拡充などのメリットをフルに享受できる

(画像=Nick Starichenko / Shutterstock.com)
(画像=Nick Starichenko / Shutterstock.com)
2019年10月の消費税増税にともない、駆け込み需要や反動減を抑制、住宅着工などの平準化を促進する狙いで、次の4つの住宅取得支援策が実施されます。

①住宅ローン減税の控除期間を3年間延長
②すまい給付金を最大50万円に拡充
③新築で最大35万ポイントなどの次世代住宅ポイント制度創設
④贈与税非課税枠を最大3,000万円に拡大

これらによって多くの場合、消費増税による負担増加分よりも、控除額や給付額が多くなって消費税増税前より増税後に買ったほうがトクするケースもあるでしょう。

高額所得者、高額物件取得者ほどメリット増大

このうち②のすまい給付金は、年収が少ないほど給付額が大きくなり、③の次世代住宅ポイント制度は年収などに関係なく、取得住宅の条件によって給付額が決まってきます。しかし、①の住宅ローン減税については高額所得者で所得税・住民税をたくさん負担している人ほど、また高額の住宅取得で住宅ローン利用額が多い人ほど控除額が多くなるのが特徴です。

消費税増税後は、控除期間の延長によって控除額が多くなりますから、高額のローンを組んで高額の物件を買う高額所得者、富裕層ほどマイホーム取得のチャンスという考え方ができます。実際にどれくらい増えるのか具体的な事例に則してみてみましょう。

ローン減税は年末ローン残高の1%を税額控除

比較検討しやすいように、次の2つのケースを設定します。

①:年収500万円、3,000万円のローンを組んで、4,000万円のマンションを買う場合
②:年収1,000万円、6,000万円のローンを組んで7,000万円のマンションを取得する場合
※ローンは35年・元利均等・ボーナス返済なし・金利1%・固定金利で設定

住宅ローン減税は、年末ローン残高の1%が所得税・住民税から控除されます。取得した次の年にローン減税の申告を行えば、会社員の場合は前年に納めた所得税の一部または全部が還付され、翌年からは勤務先の年末調整で還付を受けることが可能です。

住宅への消費税がかかるのは建物部分だけ

まず、①の場合1年目の年末ローン残高は約2,930万円で、控除額は残高の1%の約29.3万円です。2年目以降の控除額は少しずつ減って、10年目は約22.5万円ですから、10年間の控除額の合計は259.4万円になります。今回の消費増税によって控除期間が3年間延長され、消費税増税による負担増加分を3年間で控除できるようになります。

取得したのが4,000万円のマンションで、土地が2,000万円、建物が2,000万円とすれば、土地は非課税なので建物の2,000万円分に消費税がかかります。消費税が8%時の160万円から10%の200万円になり、40万円の負担増です。それを3年で控除できるとすれば、13年間の合計は259.4万円+40万円で299.9万円になります。

消費増税分はローン減税が還付される

これに対して、②の年収1,000万円で、6,000万円のローンを組む場合、1年目のローン残高は5,970万円です。残高の1%は59.7万円ですが住宅ローン減税の対象は最大40万円までなので、税額控除は40万円になります。10年目もやはり40万円のままですから、10年間の控除額は合計400万円です。消費税増税後は、7,000万円のうち、建物分が3,000万円とすれば税負担は240万円から300万円に60万円増えます。

それを11~13年までの3年間で控除できるので、13年間の控除額の合計は460万円です。①の場合には、消費税増税前の259.4万円が299.4万円になるのに対して、②では400万円から460万円に増えます。高額な物件を買う人ほど、税負担は増えても、その分控除額も増えて買いやすくなります。住宅ローン控除が適応されるのは所得3,000万円以下の人のみという制限はありますが、消費税増税は、実は高額所得者、富裕層にとってはマイホーム取得のチャンスのときといっても過言ではありません。

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