資産運用
2019.3.25

今後の景気動向は賃貸経営にどんな影響を与えるか

(画像=Shaynepplstockphoto / Shutterstock.com)
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2012年12月から始まった景気拡大期間が2002~2008年のいざなみ景気を超えたといわれています。しかし、実際には好景気の恩恵を受けているといった感覚に乏しいのが皆さんの実感ではないでしょうか。今後、2019年10月からの消費税増税や2020年東京五輪など今後の数年間に景気のターニングポイントを迎えるイベントが数多くあります。今後の景気動向が賃貸経営にどんな影響を与えるか、大胆予測をしてみましょう。

消費税増税

2018年9月に、みずほ総合研究所から発表された「消費増税で消費は再び低迷するか」というレポートでは、前回2014年時の5%から8%への3%増税より、今回の2%増税の方が景気に与えるインパクトは少ないとの予測がされています。その主な理由は、下記のようなものがあげられます。

・アップする税率自体が1%低いこと
・今回は食料品への軽減税率、ポイント還元などの政策があること

しかし、賃貸経営オーナーにとっては、賃貸経営に関する仕入れやサービスコストが上がることになります。増税後のキャッシュフローはしっかり把握する必要があります。

日銀の金利政策

賃貸経営に対して、消費税増税以上に影響を与えるのは日銀の金融政策です。これまでの超低金利政策がどこまで続くのかが最大の焦点となります。日本の金融マーケットはアメリカのFRBの金融政策に左右される構造となっており、日本のみの経済の先読みでは済まない点があります。特に、株式市場の相場が荒れると安全資産の円に資金移動し、円高になりやすい傾向が近年続いています。

極端な円高は、日本経済に悪影響を及ぼす要因になりますので、賃貸マーケットにも何かしらの影響が出てくる可能性があります。その場合、特に地方物件からその影響を受けることになると予想します。金利が今後、極端に上昇する可能性は低いと想定されていますが、先行きはだれにも読めません。

もし、金利が上昇する傾向が現れた場合、変動金利を固定金利へ変更し、借り入れを起こす際は、借入比率を極力抑えることを考えましょう。

賃貸物件周辺の動向

建築費に関しては、2020年の東京オリンピック終了後も建築現場の慢性的な人手不足は解消せず、人件費は下がらない可能性が高いでしょう。建物の資材価格も東京や日本の動きだけでは予測できません。世界的に見た場合、鉄鋼需要は引き続き高い状況が継続しており、価格は下がらないのではないでしょうか。
また、地価については二極化ではなく三極化が今後も進行すると見ています。
首都圏、特に東京中心部は上昇し、その近郊や三大都市圏、地方中核都市は現状維持、そして郊外、地方は価格が低下もしくは大幅低下という三極化が進むのではないでしょうか。少子高齢化で中長期的には人口は減少します。さらに2015年の相続税増税により、相続対策として賃貸需要が弱い郊外での賃貸アパート建築が増加しているのが現状です。

今後は、この三極化が激しくなり、通り一つはさんで、成功するエリアと空室リスクの高まるエリアが隣接するといった傾向がより一層強まることが予想されます。エリアの特性は、利便性の良し悪しだけではなく、魅力ある「街づくり」がされているかどうかに大きく左右されるでしょう。

仮に地方都市であっても、コンパクトシティなど重要施設を中心部に配置し、高齢化する街でいかに快適に住むことができるか、それぞれの自治体が知恵を振り絞りながら、街づくりを進めることがより重要になってきます。物件のオーナーは、自分が所有している街が「どのような工夫をしているのか」についてアンテナを張っておきましょう。将来性を見極めたうえで、もし可能性が少ないと判断したら、撤退を考えることも必要です。

働き方改革による通勤の変化

もう一つオーナーが中長期的に考える必要があるのが「働き方改革による影響から従来の通勤通学が続くのか」といった視点です。高度経済成長時代から脈々と続いている毎朝、満員電車に詰め込まれる通勤通学スタイルが、近い将来、一変するかもしれません。なぜなら、テレワークが解禁され、インターネットにより、どこにいてもPC一つで仕事が可能となる時代がすでに到来しているからです。

あとは、企業が従来の思考を破り、テレワークをどこまで解禁するかにかかっています。もしこれが実現すれば、「通勤地獄」といったストレスフルな状態から解放され、賃貸住宅の考え方も大きく変わることが考えられます。オーナーもこの視点で今後の物件についても考えていくことが必須となるでしょう。

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