資産運用
2019.3.22

アパマンオーナーは生命保険をどのように活用すべきか

(画像=stockfour / Shutterstock.com)
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アパート・マンションオーナー(以下 アパマンオーナー)の方々は、運営についてもいろいろと考えるべき事柄があります。「修繕積立金をどのように準備しておくか」「ご自身が亡くなった後の相続対策をどのようにするか」などを事前準備しておくことが重要です。その一つの手段として、生命保険を活用する方法があります。以下、その詳細について見ていきましょう。

賃貸物件が相続対策になる理由

土地を所有する場合、更地のままではそこから何も果実を生むことができないにもかかわらず、毎年固定資産税がかかります。対策としては、アパマン経営を営むことが考えられるでしょう。また、オーナーがお亡くなりになった後は相続税がかかる可能性があります。特に、後者に対してどのよう対処していくかが重要なポイントです。

では、なぜアパマン経営が相続税対策となるのでしょうか。相続税の計算方法は、路線価を使って計算するか、倍率方式を使って計算しますが、アパートを建築する場所では、多くの場合、路線価を使います。所有する土地にアパマンを建築すると、その土地(底地)は「貸家建付地」の評価となります。
計算式は「1-(借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」です。

借地権割合が60%、借家権割合が30%の場合、100-18%=82%となり、18%の相続税評価額の圧縮が可能になります。一般に借地権割合は、地価の高い地域ほど高くなり、商業地では80~90%、住宅地では60~70%ほどとなります。借地権割合の調べ方は、国税庁HPの路線価マップに行き、その対象物件が接している道についているアルファベットが借地権割合となります。

例えば、A=90% B=80%と10%ずつ下がっていき、G=30%となります。次に借家権割合ですが、こちらは全国一律30%となります。この2つを掛け合わせた率が相続税評価額圧縮の比率となるのです。

アパマンオーナーは生命保険をどのように有効活用できるか

実際、アパマンオーナーは生命保険をどのように有効活用し、アパマンの運営に役立てているのでしょうか。その事例を2つご紹介します。

1.大規模修繕の準備
アパート建築後、物件は経年劣化により定期的に修繕が必要となってきます。
 
年数 主な修繕内容
建築から3~5年 小規模な修繕・補修
建築から10年経過 外壁の塗り直し、屋根の雨水補修、水回り補修
建築から20年経過 10年目と同項目に加え排水管補修と電気設備補修
建築から30年経過 大規模修繕として各種設備の入れ替え

さらに、空室対策として社会環境、生活環境の変化に合わせ、間取りを変えていくことも場合によっては必要になる可能性もあり、そのケースでは、さらにプラスαの出費がかさみます。メンテナンスのしっかりした物件は安定的な入居率をもたらすため、修繕計画とその費用管理には細心の注意を払うことが必要です。

多額の費用を伴う設備の変更、修繕に対しては、毎月の家賃収入の一部を生命保険に充当し、修繕積立金とすることを検討しましょう。そのときに使う生命保険は、低解約返戻型終身保険が適しています。この保険は、一定期間前に解約すると、その返戻金は低くなります。しかし、ある時期以降は解約率も高くなり、その返戻金を修繕積立金として活用可能です。

また、資産管理会社などを設立し、法人として運営する場合、逓増定期保険を使います。逓増定期保険の解約時ピークを修繕積立金の支出時期と合わせることにより、修繕資金の準備とすることが可能です。さらに、オーナーが資産管理会社を勇退する時期に合わせて長期平準定期保険を準備し、勇退時に法人から個人に名義変更し、退職金として受け取ることもできます。定期保険を終身保険に変更することで、相続税の納税資金の準備も検討できるでしょう。

2.相続税対策
アパマンオーナーで相続対策に頭を悩まされるケースは、現預金が少なく不動産が主な相続財産のケースです。特に、1棟物件を共有名義にすることは、後々の相続を考えるとできるだけ避けることが望ましいでしょう。また、兄弟姉妹間や先妻や後妻の子供がいる場合など、不動産のみが相続財産となった場合、争いの原因となることがあります。相続が「争続」といわれるのはこのためです。

このような「争続」対策として、生命保険金を代償分割交付金として活用することができます。一例としては、長男が親からアパートを1棟相続し、そのかわり受け取った生命保険金を相続財産として他の兄弟に渡す仕組みです。例えば、下記のような終身保険、もしくは低解約返戻型終身保険を使って相続をスムーズにするスキームを作ります。
 
契約者 父親(被相続人・アパマンオーナー)
被保険者 父親(被相続人)
受取人 長男(相続人)

このように、アパマンオーナーが生命保険を上手に活用することで、いろいろな問題に対処することが可能です。まずは、FPなどの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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