資産運用
2019.1.4

マイホームを売ったときの節税対策

(写真=xtock/Shutterstock.com)
(写真=xtock/Shutterstock.com)
給与から税金が源泉徴収される会社勤めの人にとって、確定申告や税務署は敷居の高い存在かもしれません。数少ない確定申告の機会の1つが、家を買った時や売却した時かもしれません。今回の記事では「いざというときの転ばぬ先の杖」、マイホーム売却時にかかる税金について解説します。また、「所有期間による税率の違い」「マイホームへの特例」「確定申告手続き」など、基本的なノウハウについても紹介します。

不動産を売るとかかる税金

不動産を売却すると、その売却益に応じて所得税がかかります。一方、住宅に関しては生活維持のために欠くことのできない資産である点を考慮して、さまざまな特例が設けられています。給料やボーナスから引かれている源泉所得税は、累進税率といって収入が増えるほど税率が上がります。収入(所得金額)が195万円以下なら5%ですが、900万円を超えると33%に達します。一方で、不動産売却に伴う所得税は、源泉所得税とは合算せず、譲渡所得に対して一定の税率が課されます。

<算式>
譲渡所得(譲渡代金-取得費-売却費)×税率=税額(所得税と住民税)

(取得費)
不動産の購入代金、不動産購入時の仲介手数料や登録免許税、登録費用などの諸費用であり、建物の所有期間に応じた減価償却費用を差し引きます。

(売却費)
売却時の仲介手数料や測量費・解体費・廃棄物処分費など不動産の売却に際して生じた費用です。

(税率)
所有期間によって異なり、5年を超える場合は20.315%(所得税15.315%・住民税5%)、5年以下の場合は39.63%(所得税30.63%・住民税9%)です。
また、所有期間が10年を超える場合は軽減税率の特例があり、課税譲渡所得の6,000万円以下の部分は14.21%(所得税10.21%・住民税4%)、6,000万円超の部分は20.315%(所得税15.315%・住民税5%)となります。
※所得税には復興特別所得税が加算されます。(所得税の2.1%相当/平成25年~49年の期間)

ちなみに、不動産の所有期間は譲渡した日までではなく、譲渡した日の1月1日で計算するので注意が必要です。

マイホームの売却は特例が認められる

認められる特例は3種類、「3,000万円特別控除」「長期保有の軽減税率」「譲渡損失の損益通算・繰越控除」です。

●3,000万円特別控除
マイホームを売却する場合には、譲渡所得から3,000万円の特別控除を受けることができます。ちなみに、所有期間の長短は関係ありません。例えば、取得費(付随費用込み)2,000万円・所有期間5年以下の物件を5,000万円で売却した場合、(5,000万円-2,000万円)×39%=1,170万円もの税金が生じますが、マイホーム売却の場合の譲渡所得は5,000万円-2,000万円-特別控除3,000万円=0となり、税金はかかりません。

●長期保有の軽減税率
所有期間が10年を超える場合、譲渡所得6,000万円までに限り軽減税率14%(所得税10%・住民税4%)の適用を受けることができます。ただし、家屋・敷地共に所有期間が10年を超えていないと、軽減税率の適用はありません。

●マイホーム譲渡損失の繰越控除
住宅地の地価は最近持ち直してはいるものの、東京23区でさえバブル期はもとより10年前の水準にすら戻っていません。このことは、売却しても譲渡所得どころか損失が出るケースが多いことを意味しています。不動産の譲渡損失は、給料や賞与といった他の所得から相殺(これを「損益通算」と呼びます)できません。

ただし、マイホームの譲渡損失だけは損益通算が可能で、その譲渡した年に源泉徴収されていた所得税・住民税が確定申告で戻ってきます。それだけではなく、損失の額が大きくてその年に損益通算しきれなかったら、翌年以降3年以内に限り譲渡損失を繰り越せます。(これを「繰越控除」と呼びます)

面倒な確定申告は便利な無料サービスを活用しよう

確定申告にあたっては、税務署が提供する無料サービスの活用をおすすめします。最近は、国税庁がホームページを充実させていて譲渡所得や税額の計算方法、特例の適用条件等をわかりやすく解説しています。とくに「確定申告書作成コーナー」は、WEBの指示に従って必要項目を入力すれば自動計算機能により誤りのない申告書を作成できます。

24時間利用可能で、アウトプットした確定申告書を郵送すれば税務署に出向く手間も省けます。それでも、添付書類集めや申告書記入などはそれなりの時間がかかります。所得税の確定申告期日は3月15日、直前になって慌てないよう早めの準備を心がけましょう。
 

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