資産運用
2018.12.17

人生100年時代の老後の生活のための資産運用の考え方

(写真=Lena Evans/Shutterstock.com)
(写真=Lena Evans/Shutterstock.com)
人生100年時代といわれている時代で、老後生活が長くなることでどうしても付きまとう不安は老後資金のことではないでしょうか。サラリーマンの場合、定年を境に労働収入から公的年金に退職金や個人年金などを加算したものを原資として生活費に充当するのが一般的です。公的年金や個人で準備した個人年金で老後の生活費を賄うのが理想ですが、それだけでは足りなくそれまで貯めてきた資金を取り崩すことになります。

支出に関していえば、日々の生活費の他に家の修繕費、病気をしたときの医療費、さらには高齢者施設への入居費用が加わります。健康とお金に関する不安で、長寿になることを手放しで喜べない時代に突入したともいえるでしょう。

必要な老後資金

老後の生活のための資産運用を考えるにあたり、まず老後の必要な生活資金が一体いくらかかるのかを把握する必要があります。これには以下の計算式を使います。

・必要生活資金=毎月の支出額×12ヵ月×平均余命

毎月の支出額の参考になるのが、生命保険文化センターが2016年に発表した数字です。これによりますと、夫婦2人の老後の最低日常生活費は月額22万円、ゆとりある生活を送るためには月額35万円です。平均余命は平均寿命と異なり、「現在の年齢の方がその後何歳まで生きるのか」を表したものです。これは、毎年厚生労働省から簡易生命表として発表されています。最新の2017年簡易生命表によると、60歳男性で23.72歳 女性が28.97歳です。これを計算式にあてはめますと、下記のような金額になります。

●最低限の生活の場合(60歳男性)
22万円×12ヵ月×23.72歳(男性平均余命)=約6,262万円

●ゆとりある生活の場合(60歳男性)
35万円×12ヵ月×23.72歳=約9,962万円

さらに、高齢者施設に入居するための費用や退職時に住宅ローンの残債がある場合などは、それらの数字を上乗せする必要があります。特に介護施設に入居する費用ですが、代表的なサービス付き高齢者住宅ですと、一般の方が外部介護サービスを使った場合、入居一時金は数十万円、月額費用として14万~15万円程度です。また、介護型で要介護度2程度の場合は、入居一時金が数十万~数千万円、月額費用は20万円程度が概算となります。

老後生活のための収入

まず、公的年金から見ていきましょう。厚生労働省が毎年発表している「厚生年金保険・国民年金事業の概要」の最新2016年版を見ますと、夫婦2人のモデル支給額は、22万1,227円となっています。また、厚生労働省が毎年公表している2018年「就労条件総合調査結果の概況」によりますと、大卒・大学院卒の平均退職金は約2,000万円となっています。これらをもとに計算したのが下記の金額です。

・22万1,227円×12ヵ月×23.72年+2,000万円=約8,297万円

この計算式から導かれることは、最低限の生活を送るつもりならば、公的年金と退職金で何とか間に合うことになりますが、ゆとりある生活を送るためには約1,665万円が不足することとなります。

キャッシュアウトの時期を少しでも先延ばしするために

老後資産が尽きてしまうキャッシュアウトの時期を少しでも先延ばしするための資産運用方法を考えてみましょう。ゆとりある生活を過ごすためには月額35万円が必要だと書きましたが、夫婦2人の公的年金の平均支給額が22万円ですから、その差は月額13万円とします。それを全く運用しないで単純に取り崩していく場合、60歳時点で平均余命が24年とした場合、13万円×12ヵ月×24年=約3,744万円が必要です。

一方、その期間を約3%の利回りの金融商品で運用した場合、必要金額は約2,650万円となります。60歳で準備する金額が、1,100万円少なくて済むわけです。ここまであげた例は、「現在の年金システムが維持され、想定以上のインフレが起きない」「平均寿命の年齢で天寿を全うする」「特別な大きな出費が起きない」などの前提での話しとなります。

逆にいえば、この想定以外のイベントが起これば、何かしらの対処が必要です。ライフプランは、100家族いれば100通りのものができあがります。それについて「どれだけ準備をすることができるか」が、安心した老後を過ごすポイントとなるわけです。
 

>>【参考記事】老後に資産運用は必要?考えるべきポートフォリオとは?

【オススメ記事】
不動産オーナーが知っておきたい、きちんとできる節税
リバースモーゲージは老後資金の一助となるか
あまり知られていませんが、ETFって結構すごいんです
不動産価格は人口増減よりも、〇〇によって変動する?
世界の中における「東京」の不動産としてのポテンシャルとは

PREV 富裕層にとって、住宅ローンの"利用時"がやってくる!消費税増税後に高額物件を買うのが賢い取得法
NEXT 世界全面株安でわかった!真のローリスク投資は不動産

関連記事