資産運用
2018.9.21

リバースモーゲージは老後資金の一助となるか

(写真=Khongtham/Shutterstock.com)
(写真=Khongtham/Shutterstock.com)
老後の生活にはいくらぐらいのお金がかかるのか――。誰でも分かっているようで意外に知らない現実でしょう。

総務省統計局の『家計調査』によると2017年の月間平均の1世帯当たりの平均支出は28万3,027円で、年代別では50代が34万円台で最も多くなっています。それが60代になると29万円台に、70代以上では23万円台に減少します。世帯主の年齢が高齢化すれば、多くの場合には子どもは独立して夫婦のみになっていきます。ですから、月間の支出額は50代の半分になってもいいはずですが、そうはいきません。食費や光熱費などはそう簡単には削れないので、年をとってからもそれなりの支出が必要になってきます。

それに対して、一般の人たちは老後の生活に必要な月額の費用はどれくらいと考えているのでしょうか。生命保険文化センターの調査によると、「老後の最低日常生活費」の平均は22万円で、「老後のゆとりのための上乗せ額」は12.8万円という結果でした。ギリギリの生活なら22万円ですむものの、多少ゆとりをもって生活するためには約35万円必要ということです。

老後のゆとりある生活には1億円以上必要?

これだけの金額になると、公的年金だけではとても足りません。日本年金機構によると、夫が会社員で妻が専業主婦だった夫婦2人分の公的年金支給額の合計は22万円ほど。最低の日常生活費は何とかまかなえますが、たまに買い物やグルメを楽しみ、年に1度は温泉旅行に出かける余裕はありません。まして、自営業などで国民年金だけの加入者だと夫婦合わせても支給額は10万円ほどにしかなりません。

厚生労働省の『平成29年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は女性が87.26歳で、男性が81.09歳です。60歳でリタイアしても男性で20年強、女性は30年近く生き続けることになります。最低の生活費が月額20万円必要としても、20年なら4,800万円、30年だと7,200万円必要になります。ゆとりある生活の約35万円なら20年で8,400万円、30年だと1億2,600万円です。公的年金が出るにしても、それまでの蓄えを切り崩して生活しなければならず、不安が残ります。

そこで頼りになるのが持ち家や投資用不動産の存在です。ワンルームマンションや賃貸アパートを持っていれば賃料収入が確保できますし、持ち家だけの場合でもリバースモーゲージを利用して私的年金を得る方法があるのです。

家族で話し合って相続人の納得が不可欠

リバースモーゲージは「逆住宅ローン」ともいえる仕組みです。一般の住宅ローンは住宅を購入するために資金を借り入れ、それを20年、30年かけて返済していきます。それに対してリバースモーゲージは保有している住宅を担保に、老後資金として毎月一定の金額を借り入れることができる制度です。債務者が死亡した際に金融機関が担保となっている住宅を売却して資金を回収します。
リバースモーゲージのメリットは住み慣れた住宅に住み続けながら一定の生活費を受け取れる仕組みです。

銀行などによって、一戸建て限定、マンションもOKなどの違いがあり、根抵当権の掛目といわれる融資割合も6割程度までのところもあれば、もう少し高いところもあるなど、条件も異なります。さらに、毎月定期的に借り入れるのではなく、海外旅行、自動車の買換えなどの多額な資金が必要なときにだけ一定額を借り入れることができるリバースモーゲージもあります。いろんな金融機関で実施しているので、自分たちに合った制度のある金融機関を探しておくと安心です。

いずれにしても、借り入れたお金は死亡時に相続人が清算することになります。ですから、リバースモーゲージの利用に当たっては、相続人の意向を確認しておくことが重要です。相続人にしてみれば、貰えるはずの財産の価値が目減りしてしまうわけですから、よく話し合っておく必要があります。
 

>>【参考記事】老後資金をいくら貯めれば安心できる?

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