資産運用
2018.9.3

不動産価格は人口増減よりも、〇〇によって変動する?

(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)
(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)
好況で買手が多く品物が不足すれば売手市場となって価格は上がり、不況で買手が少なく品物が余れば価格は下がります。不動産も例外ではありません。
ですからタイトルの「〇〇」には「景気」と入れるのが無難なところですが、不動産価格はそれ以外にもさまざまな要因によって変動します。

まずは世帯数

まず挙げられるのが「世帯数」です。不動産のなかでも大きな比重を占める住宅を必要とするのは世帯単位です。単身世帯だけであれば、人口の増減が住宅のニーズの増減に直結しますが、人口の増減と世帯数の増減はイコールではありません。

日本の人口はすでに2008年から減少に転じていますが、世帯数はまだ増え続けています。国立社会保障・人口問題研究所の『日本の将来推計人口(都道府県別)』では、2015年の世帯数は5,290万世帯に対して、20年に5,305万世帯でピークに達し、25年は5,244万世帯に減って、35年には4,956万世帯と5,000万世帯を割り込む見込みです。

しかし東京圏だけでみる見ると、15年の1,618万世帯が25年には1,648万世帯まで増えて、減少が始まるは30年以降になります。東京都をはじめとする大都市圏では全国に比べて世帯数増加がまだ続いています。それだけ住宅のニーズが強く、これが不動産価格を下支えするため、価格の着実な上昇が期待できます。

大都市圏でもエリアによって価格差が拡大傾向に

物件の「立地」も不動産価格に大きく影響します。経済全般が不調でモノの値段が下がっているときでも、誰もが住みたがるエリアのマンション、オフィスとして人気の高いエリアだけは上がり続けることがあります。反対に、人気のないエリアだと全般的に地価が上がっている時期でも上がる気配がなく、下がり続けることも珍しくありません。

国土交通省の『公示地価』をみても、三大都市圏の地価は横ばいから上昇に転じていますが、地方圏の多くでは依然として下落が続いています。
三大都市圏のなかでも、人気エリアとそうでないエリアの格差が大きくなっています。

たとえば、民間調査機関の東京カンテイでは、首都圏で10年前に分譲されたマンションの分譲時価格と中古マンション市場での取引価格を比較した『2017年中古マンションのリセールバリュー(首都圏)』を発表しています。それによると、分譲実績や中古取引が活発な683駅のうち10%以上価格が上がっているのは177駅で、その大半は都心の23区やその周辺、横浜市と川崎市の中心部に集中しています。反対に分譲時価格の70%以上80%未満まで下がっているのが100駅で、70%未満まで下がっているのが37駅でした。大幅に下がっている駅は埼玉県や千葉県が中心で、なかでも70%未満になっているのはほとんどが千葉県という結果でした。

今後も東京都心の地価は下がりにくい状況が継続するかもしれません。地方や郊外では、まだまだアパートやマンションを建てる土地が多くあり、供給の余地があります。一方で賃貸需要は小さく、供給過多の状態です。それに引き替え、東京の中心部になると空いている土地は少なく、共有の余地がない状態です。つまり、今後も東京都心部においては地価は上がりやすい傾向があるのです。


また、東京では再開発がオリンピック後も続きます。進行中の開発、今後、決定している開発だけでも、丸の内・大手町、八重洲・日本橋、虎ノ門・赤坂・神谷町、新宿・西新宿・歌舞伎町、渋谷、池袋、品川と続きます。東京の都市機能が発達すると、ヒト、モノ、カネ、文化、大手企業の本社機能などが、ますます集まります。
地方での仕事は減少し、働くために若い人たちは東京に出ていく。東京に人がますます集まり、人口は増えていきます。
その結果、消費も東京に集中し、都市としての経済規模も大きくなっていくことが想定されます。

同じ駅でも駅からの距離によって価格差が拡大

同じエリアでも駅からの距離による格差も拡大傾向にあります。2018年の国土交通省の『公示地価』では、「駅距離区分別平均変動率」という数値を公表しています。それによると、最寄り駅から0.5キロメートル未満の土地の前年変動率は1.3%の上昇に対して、1.5~2.0キロメートル未満では±0.0で、5キロメートル以上は-1.0%となっています。これが三大都市圏だけだと、その差がもっと大きくなります。0.5キロメートル未満は1.7%の上昇で、5.0キロメートル以上は-1.1%です。しかも、この格差は年々大きくなっています。
不動産価格を決定する要因は何よりも立地です。マイホームの購入、不動産投資に当たっては立地最優先で物件選びをするのがいいでしょう。

・国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数将来推計(全国)』
・国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数将来推計(都道府県別)』
・国土交通省『公示地価』の駅距離区分別平均変動率
 

>>【参考記事】東京一極集中で不動産投資のチャンス?

【オススメ記事】
不動産オーナーが知っておきたい、きちんとできる節税
リバースモーゲージは老後資金の一助となるか
あまり知られていませんが、ETFって結構すごいんです
人生100年時代の老後の生活のための資産運用の考え方
世界の中における「東京」の不動産としてのポテンシャルとは

NEXT ハワイのタイムシェア 投資として、実用としての魅力とは
PREV 生まれ変わる「五反田」。五反田にベンチャー企業が集まる理由とは

関連記事